令和4年4月10日、京都市伏見区にある伏見稲荷大社において献茶祭が行われました。この献茶式は大正3年(1914)に11代家元透月斎竹窓によって創始された献茶式です。「産業祭」と呼ばれる衣食住の神様であるごご祭神の神恩に感謝し、各種の産業の発展を祈願する祭礼に合わせ、お家元がお献茶をされます。
午前10時、神楽殿にお家元が登壇され、定められたお点前で練られた濃茶、続いて点てられた薄茶がご祭神に供えられました。
引き続き本殿において祝詞奏上、お家元による玉串奉奠があり祭儀は滞りなく終了しました。
参列の方々は境内「松の下屋」に設けられた拝服席に案内され茶席を楽しまれました。床には猗々斎竹風の稲荷鳥居画賛が掛けられました。また世情に鑑みて香合は「天下泰平」の香合が用いられました。茶碗は時候の桜に因むものが多数取り揃えられていました。
例年ですと松の下屋の庭内にある小間茶室「瑞芳軒」にも釜が掛りますが、コロナウイルスの感染対策として開催を見送りました。