家元歳時記

家元歳時記

家元では様々な行事が一年を通じて行われています。その中には藪内家独自の行事だけではなく、ごく一般的な季節を愛でる掛釜もあります。「節分」「ひな祭り」など月日が特定されているものと、「観桜」や「月見」などその年によって日が変わるものとがあり、それぞれの季節感が楽しめます。このページでは行事を通じて家元の一年をご紹介いたします。

一月~三月四月~六月七月~九月十月~十二月

▶初釜

▶節分釜

▶ひな祭り

▶利休忌

▶観桜茶会

▶流祖忌

▶七夕

▶八朔

▶月見

▶竹風忌

▶冬至釜

一月~三月

初釜

初釜

新年の正月三ヶ日は宗家家族が新年の大福茶を祝います。 7日には西本願寺ご門主への点始めです。これは三百六十余年変わらず続いている藪内家にとって大事な行事です。

7日は午後から9日にかけて藪内宗家で初釜の茶会が開かれます。燕庵では家元と若宗匠の点前で濃茶、緝凞堂では社中による薄茶と福引き、祝膳席の亡指・郁庵では奥様、若奥様手ずからもてなします。9日は門人中心の初釜で、須彌蔵でも薄茶がふるまわれます。

節分釜

節分釜

各地で開催の初釜も一段落した頃です。一番寒さの厳しいのがちょうど節分の頃、この日は家元や若宗匠は吉田神社や壬生寺に参詣し、その後、緝凞堂で家族そろって一服のお茶を楽しみます。

広間の床は宝船の画賛、釜は与次郎の四方釜、長板に万暦枡の水指、蓋表に「鬼」の字、蓋裏に「福」の字の透月齋宗匠の好んだ大平棗、茶碗も四方形の紅白一双のもの、「福分け」と命銘された茶杓を使います。

夕方には、若宗匠が一升枡を持って各茶席に豆を撒きます。枡の中には豆の上に田作り二尾を昆布で結んだものが入っています。

ひな祭り

ひな祭り

ひな祭り

2月下旬に、緝凞堂西側壁面いっぱいに雛壇に数組のお雛様を飾ります。雛祭りのお茶席には床に圓山応挙筆、比老斎賛の「立雛」の掛物を掛け、お茶碗もお雛様が描かれたものを使い、点前も菱飾りで一服のお茶をいただきます。

利休忌

利休忌

3月28日には利休忌の茶会を催し、流祖剣仲の兄弟子である利休居士の遺徳を偲びます。この日は祖堂「源霊閣」の中央に利休遺髪像を安置し、当家に伝わる利休筆の「末期の文」と「うらやましの文」を掲げて供茶をします。

続いて利休から贈られた茶室雲脚で家元や若宗匠が濃茶をふるまいます。床には五代不住斎筆「利休像」画賛を掛け、その前には利休からいただいた花手桶に、邸内の庭から選んだ淡紅色の一重の藪内椿を挿します。道具類は古くから「利休忌に用いるべし」と定められているものが多く、また薄茶席の緝凞堂の床には大徳寺玉舟和尚筆一行の「八角磨盤走空裏」を掛け、花生は七代桂隠斎作の置筒で銘「露盤」、そこに木瓜と貝母を挿すのが習いです。

四月~六月

観桜茶会

3月下旬から4月になりますと、「桜」を愛でる茶会をいくつか催します。数種の桜木の皮を寄せ張りした棗や、桜の木の茶杓など桜の模様ばかりでなく創意された道具類が楽しみです。

流祖忌

流祖忌

梅雨入り前の6月7日には剣仲忌が家元で営まれます。午前10時、祖堂「源霊閣」での流祖への献茶と大徳寺三玄院住職の読経で始まります。

この日は全国からお参りに訪れる社中の方々に流祖藪中斎の遺徳を偲び、燕庵を開いて家元が濃茶をふるまいます。燕庵の床には大徳寺天祐和尚筆「剣仲辞世」を掛けます。花入は流祖作の古瓢、花入れに甘茶を挿し、床中央の香炉にお香を薫じます。茶碗七代桂隠斎が手造りした一双の、蓮の葉を連想するような大きな「剣仲忌に用いるべし」と伝えられたものを使います。

流祖忌を終えると、家元の佇まいも障子を「よしず」に替えて夏の風情になります。

七月~九月

七夕

まだ梅雨が明けきらない7月7日、七夕の茶を楽しむこともあります。暮れなずむ頃、縁先に茶箱を出しての一服に季節の移ろいを楽しみます。

八朔

八朔

8月1日、八朔には早朝から家元へ社中や出入り方が中元の挨拶に訪れます。家元、若宗匠は正装で出迎えます。 この日の床飾りは遠州合筆の「万年松在祝融峯(まんねんのまつしゅくゆうほうにあり)」の大横物を掛け、本願寺の酒の通い壷として使われていた大徳利の花生に蓮を挿します。

十月~十二月

月見

暑い夏もようやく終わり、虫の音が聞かれるようになりますと、夜空の月や星が輝きを増し、名月を楽しむ月見の茶会等催されます。満月の夜には月にお茶を献じることもあります。

11月、旧暦の亥子の日に炉開きをします。この炉開きの頃、11月5日に口切の献茶式が宇治県神社で催されます。本殿では茶師が献じられていた茶壺の封を切り、石臼を挽いて棗に入れます。それに合わせて点前を進めていた家元が挽きたてのお茶で一服献じます。献茶式のあと参会者は口切りされた茶で濃茶と薄茶を味わいます。

竹風忌

竹風忌

藪内流十二代猗々斎竹風宗匠を偲ぶ茶会です。祥月命日が正月24日なので、一ヶ月余り早く12月7日に宗家で行われます。この日は緝凞堂・須弥蔵に薄茶席を設けて先代家元の手づくりの茶碗や茶杓を使い、思い出話に花を咲かせて在りし日を偲びます。

冬至釜

冬至釜

冬至は一年で一番昼間の短い日で、一般的に小豆や、かぼちゃを食卓に載せ、柚子を風呂に浮かべて入る習慣があります。

この日宗家では、来庵の社中に手作りのぜんざいで呈茶します。戦前、大阪の数寄者が「孔子釜」と称して冬至に釜を掛けてましたが、戦禍のため途絶えていたのを先代家元が惜しみ、再興され冬至釜と称しています。暮れの慌ただしさを忘れる歳暮の茶です。

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お知らせ

2015.06.17

古儀茶道藪内流家元14代継承について

古儀茶道藪内宗家におきましては、本年6月7日をもちまして13代青々斎竹仲紹智が家元を退き、若宗匠允猶斎竹卿紹由が家元を継承致しました。

青々斎家元は本年数えで傘寿を迎えます。それを機会に家元の職責を若宗匠が引き継ぎ、14代藪内允猶斎竹卿紹智を名乗らせていただきますことをご報告いたします。